熱帯気候で目の前にはエメラルドグリーンの海が広がり、背後には点在する緑の中にビル群が建ち並ぶスリランカ・コロンボ。そこに100ｍ級の超高層ホテルを計画するにあたり、『スリランカの文化や環境を尊敬・称賛しつつ、日本のDNAや知恵を組み合わせてどう進化させたものづくりにできるのか』、それを最大のミッションとしました。
建築は壁式ラーメン構造で柱・梁のでないシンプルな構造とミニマルな空間構成によって、高さ100ｍの超高層建築にチャンレンジしました。足元は風が通り抜けるオープンエアの水のラウンジをつくり、中間階は空中テラスのあるジムやパーティールームを設けて街の賑わいとホテルを緩く繋いでいます。最上階にはスリランカの空気感とここでしか見ることの出来ないサンセットを楽しめるように、ガス燈のあるインフィニティープールとジャグジー、半アウトドアのルーフトップバーを設けてリゾートの設えをつくりました。
また共用部や客室の至るところまで、内装は現地の建築文化や技術の過程を意匠としてそのまま魅せるデザインにする考え方とし、チタニウムモルタル、木、スチール、レンガ積み、ブリックモルタル、塗装を徹底的に反復して使い、廊下は半外部廊下で風が抜けるような風の流れをつくるなど、スリランカの土着的な手法や切り口を超高層建築という世界観の中に落とし込んでいきました。これによってビジネスマンもトラベラーも、あらゆる目的の外国人ゲストがホテルに滞在しながらスリランカのローカリティーを体験できる一方で、国内のスリランカ人ゲストも、風土性から生まれたローカルデザインの可能性に触れることで、毎日の生活がより豊かになれることを願っています。