UMITO 熱海 別邸

UMITO 熱海 別邸

熱海別荘文化の再構築

UMITO 熱海 別邸は、明治から大正期にかけて熱海に築かれた別荘文化を現代的に再解釈することをテーマに計画したスモールホテルです。
起雲閣に代表される熱海独自の迎賓文化や空間の豊かさに着想を得ながら、歴史的意匠を表層的に再現するのではなく、現代の素材と技術によって新たな時代の別荘感のあるホテルを創出することを目指しました。建築は相模湾を見下ろす断崖地に位置しますが、雄大な自然環境に対して建築が過度に主張することを避け、高さとボリュームを抑えた水平的なフォルムとすることで、崖地の地形に静かに寄り添う構成としました。建築はランドマークとして立ち上がるのではなく、海と空、光と風を体験するためのフレームとして機能しています。インテリアでは、周辺環境を吸収し、反射し、増幅する素材構成を試みています。客室天井の白いアンティコスタッコは海面からの光を柔らかく拡散し、水磨きのタイルは光を穏やかに受け止めながら繊細な反射を生み出す。木材や大谷石を想起させるタイル、鉄板の風合いを持つ塗装は、海辺特有の湿度や陰影を空間へ取り込み、この土地ならではの落ち着きある空気感を形成しています。レストランでは、小松石の切り出しやステンドグラス照明など、起雲閣から着想を得た要素を現代的に再編集した。自然と建築、歴史と現代を繋ぎながら、熱海の別荘文化を土地の記憶とともに未来へ継承するスモールラグジュアリーの提案をしています。

竣工年
2026年
部類
新築
業務
建築設計監理/インテリア設計監理
構造・規模
5室/RC/B1-2F
法定延床面積
921㎡
メディア掲載
商店建築 2026年 8月号(表紙)